月光族

感性豊かすぎるお嬢さま雑誌『月光』始末記。LGBTの精神分析的説明など。

男はどこまで女になれるのか?





いま世間を騒がせているのは、おっさんが自分のことを女だといって女子トイレを使い、性自認が女だと主張したら、だれも止めることは困難になるという問題だと思います。


困るのはその男が外見「おっさん」だからでしょう? では、外見が綺麗な女に見える男だったらどうします?


男がどう見ても女だという外見になるのは、じつはとても簡単なのです。女性ホルモン剤を飲めばいいのです。病院へ行く必要もなく、処方箋も不要。通販で女性ホルモン剤は簡単に入手できます。どう見ても女だという外見になりたい人は、上のリンクをたどるか、「プレマリン エチニル・エストラジオール 個人輸入」でググってください。薬の宣伝には薬効を書いてはいけないという条例があるそうで、薬の名前と効能を知らないと検索できない場合があります。だから、名前は憶えておいてください。用量については私は知らないので、「トランスジェンダー ブログ」などでググって当事者に聞いてください。


Bingチャットで聞いてみました。
「男性が女性ホルモンを飲むとどんな効果がある」
「すみませんが、それについては回答を出すことができません。何か他のことでお手伝いできることはありますか?」。でも男と女を入れ替えて質問すると、回答が出てきます。


私は別に、おっさんの肩を持つわけではありません。でも、情報操作で男に女性ホルモン剤を使わせまいとするようなこんなやり方は逆効果だと思うのです。


AIは答えられないそうですので、私が答えてあげましょう。
「数か月、長くとも数年で、外見は女になります。ただし、極端に男っぽいとか、個人差で薬が効かない人とかは、そうならないこともあります。ヒゲは抜け落ちますが、脱毛する必要があるケースもあります。子供をつくることはできなくなります」


男が女性ホルモンを使った結果は様々で、必ずこうなるというものではありません。副作用も十人十色です。


よくあるのは、薬のせいで感情的になってしまうというケースです。男は感情の抑圧が強いので、感情的になるとどう処理していいか分からず、不安定になってしまいます。女なら、レズビアンでもない限り感情の処理はうまく出来るんですけどね。ともかくこれは感情の抑圧が強い、男ならではの症状です。口をよく閉めず、湯たんぽを火にかけたようなものです。こうすると蒸気は僅かな隙間から、すごい勢いで噴出します。抑圧感情、つまり陰性の感情が沸き起こるわけです。わけもなく怒り出したり、泣き出したりするのです。


涙もろくなるのは、女性化したからではありません。感情を出すまいとして、心が悲鳴をあげているのです。体が女になったら心も女になると安易に考えていませんか? そううまくはいきません。ともかく体が女になりたいのであれば、この不安定でけだるい状態も耐えるしかありません。正直なところ、男に対する女性ホルモン剤の効果は、女に対する男性ホルモンの効果ほど目覚ましくはありません。だから、あまり期待し過ぎないほうが無難かもしれません。もちろん、女性ホルモン剤だけで華麗に変身するケースも多いです。


ところで現在、巷で騒がれているのは、「おっさん」が女子トイレにはいったら女が困るということですよね? じゃ、外見が女としか思えない、性自認が女である男が女子トイレに入ったら、どうでしょう。気に留める人はいません。


ここで「女装」について触れておきましょう。女はただのファッションで男装します。でも男は女装すれば奇異な目で見られます。だから、ただのファッションで女装することはあまりありません。


「フェチを理解しなければ、女装を理解することはできない」。これは私が新宿二丁目でとある女装子さんから言われた印象深い言葉です。女装というと、世間一般の人は男が女の服を着るという場面を思い浮かべると思います。つまり、上着に関心が向いてしまうのですが、女装に関わるフェティシズムとは精神分析的に言えば、「無意識に潜む淫らな母親を想起させるもの」へのこだわりなのです。極端に言えば、上着は女の恰好という一貫性をもたせるためのお飾りにすぎず、それよりはるかに大切なのは下着なのです。


干してある選択物がなくなるという場合、一番目標にされやすいのは、上着よりも下着であることは言うまでもないでしょう。本当はきれいに洗濯した下着ではなく、汚れて臭いが染みついたブラジャーやパンティーのほうが、盗む方としては貴重なのです。


そもそも、女装や、女になりたいという願望そのものが、ファッションを極めたいという動機ではなく、エディプスコンプレックスから派生しているのです。「お母さんはボクよりも、おちんちんの大きなお父さんのほうに行ってしまった。ボクはあきらめない。お母さんを取り戻す。そしてボクはお母さんになってお父さんを引き付ける」。そのためにはまず、昼間は涼しい顔をしているけれど夜は淫乱な母親の「秘密」を暴かなければなりません。そこで痴漢は女子トイレの汚物入れをあさり、血のついたパンティーライナーとナプキンを調達。耳をすませて排泄の音を聞き、できれば写真を撮る。といった痴漢行為を繰り返すことになります。


痴漢は女というものは節操がない淫乱なものだというイメージを持っているので、夜道を歩いている女に抱きつくとか、満員電車でおさわりをするというのは、一種の親切なのです。


この痴漢、外見が女性ですから、堂々と痴漢行為をすることが出来ます。もう、やりたい放題です。私の予想ですが、この発覚しずらい痴漢行為はかなりの数、すでに行われていると思います。


しかし、女に近づきたいという彼の気持ちは、まだ満たされません。完全な女として認められるには、まだ欠けているものがあります。


それは声です。いくら外見が女でも、男の声ではすぐにバレてしまいます。新宿二丁目には、外見はもとより、声も女である男が沢山います。どうしたらそうなれるのでしょう? これについては、先輩からの様々なアドバイスがあります。要は「声を胸に響かせない」ということです。上手くいかない場合には、女声にするためのスクールもあります。金に糸目を付けなければ、手術という方法もあります。しかし、手術では会話はできるものの、歌をうたうのは無理なことが多いようです。


女は男性ホルモン剤を使えば声が低くなりますが、男は女性ホルモン剤を使っても声はほとんど高くなりません。だから、ボイストレーニングで女声にするしかないのです。


歌はどうしたらいいでしょう? 一番安直なのは、裏声を使うことです。でも、男の裏声というのは声帯の穴をつぼめて出す声なので、せいぜい忘年会の余興程度にしかなりません。例外的には映画「もののけ姫」の主題歌を歌った米良美一さん。あの歌は裏声です。男の裏声だと、声が極端に細くなってしまい、感情表現は限定的になりますが。


裏声(ファルセット)は男と女では出し方が違います。男は声帯をつぼめてドーナッツの穴が小さくなるように声を出しますが、女は声帯を両方向に引っ張ってドーナッツの穴が長い楕円になるように声を出します。女のファルセットは男のそれのように急に高音になることはありませんが、楽に出すことができます。


では、男が女のファルセットを使うことができるでしょうか。ごくまれですが、実例をネットで聞くことができました。これをやっていたのは、ごく普通の男性でした。


音程と感受性の間には、なにかの関係があるらしいのです。「月光族」が集まってカラオケにゆくと、ほぼ全員がプロ歌手のような高音で歌います。なかには「夜来香(イエライシャン)」のキーを機械で設定できる最高にセットしてもまだ歌えるひとがいるのです。ちなみに私の最高のキーはがんばってもB♭、大人の美空ひばりと同じです(少女時代の美空ひばりのキーの高さは天才的)。


つまり男は、頑張れば外見も会話も、本物の女そっくりにすることが可能ということです。たぶん不可能なのは、女のキーで歌をうたうことぐらいなものでしょう。女でもキーが低くて男並みという人はけっこういるので、これはほとんど問題にはなりません。しかし、多くの場合、エディプスコンプレックスによって足を引っ張られることになるので、感性豊かな女には、まずならないでしょう。女の心を持った男というのは、そう簡単に出来上がるものではないのです。


絵や小説などの芸術創作をするトランスジェンダーがいるということを、わたしは寡聞にして知りません。テディベアやビスクドールが好きなトランスジェンダーがいるという話も、聞いたことがありません(ビスクドールについては、「LGBTに与うる書 その1  レズビアンへ」を参照)。私はトランスジェンダーに女の魅力を感じることはなかったし、これからもないことでしょう。


外見を女にし、声も女に変えてしまえば、心はどうにでもなる、と思っていませんか? 病気でも「原因は精神的なもの」と言われれば「気の持ちよう。そんなものはどうにでもなる」と人は思いがちです。


人格は変わるものでしょうか? こう問われると、心理学者は困ってしまいます。なぜといって、「人格は変わりません」と言ったら、それは心理学を否定することになってしまうからです。でも、フロイトの言葉を覚えていますか? わずかなコンプレックス(感情を伴って抑圧された心的複合体)を意識化して症状がなくなるまで14年。「長い人生のうち、たかが14年」とフロイトは言っています。


エディプスコンプレックスのように巨大なコンプレックスを精神分析で意識化し、取り除こうとしたならば、いったい何年かかるでしょう? だから、男から女に変身しようとするトランスジェンダーは、このことを肝に銘じてください。


エディプスコンプレックスについて、まるで悪の塊のような書き方になってしまいましたが、そうではありません。エディプスコンプレックスは、「ボクもやがてはお父さんのように強く逞しくなって、お母さんのような奥さんをお嫁さんにしよう」という形で克服すれば、子供は健康に育ってゆくのであり、痴漢にはなりません。


「お母さんのようになって、お父さんを引き付けてしまおう」というように母親に同一化してしまうと、その子供はやがておっさんになって「私は女だ」と主張するようになる。これはエディプスコンプレックスの克服に失敗したケースです。女性ホルモン剤で女になろうとするのは、その失敗の上塗りかもしれません。結果として出来上がるのが、感性のない、つまりまるで中身のない女であるということに気づいたときにはもう遅いのです。


その虚しさに自殺してしまう人もいるようです。薬で変化するのは体と、わずかな声の変化にすぎません。間違っても、心が変化するなどと勘違いしないでください。


感性豊かな女の子はみんな知ってる。ビスクドール!


×

非ログインユーザーとして返信する