月光族

感性豊かすぎるお嬢さま雑誌『月光』始末記。LGBTの精神分析的説明など。

レム睡眠ー夢を見ている謎の睡眠





この記述は拙訳書『ドリームパワー』(アン・ファラデー著、時事通信社)をベースにしているが、大要は現在の最新の研究と大差ない。


レム睡眠のREMは、急速眼球運動(Rapid Eye Movement)という意味である。レム睡眠は1953年、シカゴ大学のクライトマン教授とその大学院生アセリンスキーが発見した。その睡眠状態では眼球がキョロキョロと急速に動き、そのときには80パーセントの人が夢を見ていることが分かった(ノンレム睡眠中でも20~60%ほどの被験者は夢を見ているという報告もあるが、夢の観察にはやはりレム睡眠期が適している)。ただしレム睡眠については現在でもよく分からない点は多くある。


「当社の○○を飲めば、浅いレム睡眠のない、深いノンレム睡眠ばかりの状態になります」という睡眠薬の宣伝を見たことがある。これはかなりヤバい。眼球運動測定器を使ってレム睡眠期になったときに被験者を叩き起こしてレム睡眠をはく奪すると、その後はまるで貪るように、レム睡眠期に陥ってしまうようになる。したがってレム睡眠期は、記憶の整理や固定化のために必要と考えられている。


私は昨日の夜、飲んだ薬のせいか、ひどい悪夢にうなされた。スマホが見つからないという夢だった。誰かの落としたスマホが図書館のように並んでいて、私は必死で自分のスマホを探している。しかし見つからない。長時間そうしているうちに目が覚めた。それからまた寝たのだが、その時の夢はなんと前の夢の続きだった。それからも私は夢の中で自分のスマホを探し続けた。


アン・ファラデーによれば、これは「予知夢」である。心配になった私は、「デバイスを探す」アイコンをパソコンに追加した。そしてまた寝たのだが、次の夢がまたひどい。私は翻訳の仕事を仕上げたのだが、その報酬についてクライアントから相談された。一枚いくらではなく、時給で原稿料を払いたいというのだ。翻訳の原稿料は、一枚(四百字)千数百円が相場である。私は当時早いと言われる富士通の親指シフトキーボードを使っていたので、最速で一時間十枚を仕上げることができた。つまり時給にしたら一万数千円になるはずだ。時給にされたらコンビニバイトくらいのものだろう。そんなこと、されてたまるものか。


そこでクライアントの知り合いとともに交渉にいくことになった。だが、なぜか私は裸だったので、服を買いに用品店に入った。Tシャツが三百円だったので買ったが、下が高い。いかにも安物のパンティが、千七百円もするのだ。それで店主にゴネていると、クライアントの知り合いが痺れを切らして先にいってしまおうとする。悪夢だ。


正常な睡眠の場合には、入眠初期に深いノンレム睡眠が観察され、明け方に向けてレム睡眠が長くなって、目覚める準備が整うのだという。昨夜の私のように、浅いレム睡眠で起きてばかりいては、脳はいいとしても体が休まらない。

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